前回の続きです。終電を無くし、鉄道を24時間化することによる経済活性化への提案です。
鉄道会社にとっての24時間化のメリットは、あまり無いと思います。設備のメンテナンスの手間を考えると、24時間運転は大変です。そのために新たな設備投資が必要でしょうから。また、人件費の問題があります。深夜も営業すれば、必要最低限の駅員と乗務員の増員が必要です。全国的に24時間化が進めば深夜手当の心配は不要でしょうが、とりあえずは色々と人件費を増やす話ばかりです。
深夜時間帯は、運転するにしても1時間1〜2本。夜型の人口が増えてくれば、運転本数を増やして運転間隔も狭くなっていくでしょう。しかし、昼並みに成るまでは望めません。一方で、通勤や帰宅のラッシュが大幅に緩和されるはずです。しかし、勤務形態に幅が出てくるために、車内の混雑度はかなり解消されるでしょう。殺人的な過密ダイヤを緩和でき、その分だけ人的負担やコスト的負担が軽減されてくるはずです。
比較するのは酷ですが・・NYの地下鉄は24時間運転です。夜間の運転は疎らですが、それでも終夜運転しています。利用客も格段に減るために、出入り口の削減、駅員体制の縮小もあるものの、それなりに採算は合うそうです。一頃は深夜の犯罪が問題化したそうですが、好景気の影響もあり改善しているようです。東京や大阪で積極的な誘導をしていけば、消極的なNYの24時間運転よりも利用は増加すると思います。
強いて課題を挙げれば・・治安の問題です。深夜の治安は、昼間よりも悪化する懸念があります。深夜に自宅を空けるリスク、暗闇で襲われるリスクなど、今以上に大きな課題になると思います。とくに女性の深夜通勤は、危険ですね。単純に交通機関が起きているだけではダメで、警察は昼間以上に活躍する必要があります(警察も、積極的な二交代制を導入すれば良いのでしょうか)。夜間の街灯など照明類の電気代もバカに成らず、電気や電話代の深夜割引というのも廃止になるかも知れません。社会全体が24時間化すれば、街中の騒音問題にも配慮が必要になるでしょう。
将来へのビジョンはともかく、とりあえず鉄道が24時間化してくれれば、消極的であっても、NY並みに生活の利便性がアップします。最小限の駅員を配置したければ、深夜は自動改札を止め、電車入線5分前の駅員改札とし、乗客の完全乗車・完全出場を徹底すれば十分だと思います。駅構内に乗客が無くなれば、犯罪の予防にも役立ちます。24時間化しても清掃・メンテナンスが必要ですから、適宜調整が図られることに期待します。
しかして・・夜型人間が増え、直射日光を浴びることの少ない日本人が増えることが、幸福なのでしょうか。今のように昼夜のメリハリが利いたライフスタイルのままの方が、結局は幸せでないかとも思います。
02.04.08
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