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政治の研究No.119
ナルシスト政治家

 皇太后が崩御されました。明治・大正・昭和・平成の4つの時代をじっと見つめてこられた母后様は、日本という国をどう感じておられたでしょうか。町々には弔旗や半旗が掲げられていますが、何故か賑やかな街宣車が喚いています・・・。

 選挙シーズンです。国政一番の目玉である衆議院選挙がやって来ました。残すところ1週間ですが、候補者は選挙区を駆け回り頭を下げて回るのに大忙しです。いつも思うことですが、イメージスローガンや減税減税などは聞こえてきますが、どうも候補者の素顔が見えてきません。名前を連呼したってダメですよ。煩いだけの街宣車を規制しよう!
 まだ確認できていませんが、車上に拡声器を付けるだけで諸税が格安になるのですって? 映画館やスーパーの広報車も、右翼の街宣カーも、税金が大幅に軽減されるのだそうです。マイカーでも適用が受けられるそうです。ちょっとした装置と改造だけなので、お試しください。主義主張の自由を妨げないことが理由なのだとか。他人の主義主張を聞きたくない自由はどこへ行った! 政治家のお手盛りじゃないか! ・・・などと。

 今回は大物政治家が大勢引退されました。小渕さん、梶山さんも亡くなられました。そして大勢の二世・三世候補が出現しています。いよいよ総議席の1割を占める時代が来たのだそうです。マスメディアがちやほやしていますが、二世・三世というのは候補のウチから押し出しが見事です。有能な選挙ブレーンが付くこともあるでしょうが、若くても立派(に見えるよう)な候補が多いです。
 彼らを見ていますと、「ナルシストな政治家が多いなぁ」と感じます。ナルシスト、耽美な人・・・短絡的に言えば、鏡とお友達といった人が多いです。先代の綺麗な部分だけ見て育ったのか、非常に理想も高く主張が美しいです。本当はウラもオモテも知った上での演技なのかも知れませんが、有権者の支持を集めそうな良材が多いようです。どこか不遜で勝手なところも目立ちますが・・・。

 ある知人の市会議員先生が曰く、「選挙中はねぇ。俺って良い先生なんだな。本当にみんなの支持を貰って頑張って居るんだな。って錯覚しちゃうんだよ」とか。多数の支持者に囲まれて「先生頑張って下さい!」を連呼されるので、どうしても乗せられるらしいです。しかし「錯覚」じゃなくて、日頃から「自覚」しなさいって、言ってしまいました(笑)。
 あと「クリーンな」とか「有権者のための」っていうセリフも連呼していると、そういう気になるのではなくて、自分の政治がクリーンだとか有権者のためだとか錯覚しちゃうそうです。大丈夫かなぁ、K市市議会。こういう調子なので、悪者と自覚しつつ有権者を欺瞞していると自覚する政治家よりも、悪者と自覚していないナルシストな政治家は困りますね。

 自己陶酔にどっぷり浸かっていて、自分の無能さや卑劣さや悪人さを自覚できていないような三流ナルシスト候補は、さっさと消えて欲しいです。自己暗示をかけてまで、本当に有権者のためになる政治に取り組んでくれる一流ナルシスト候補なら、1人でも多く当選してくれても良いのですが・・・。

00.06.17
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