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政治の研究No.27
砒素カレー事件を考える(改題)

#N7月25日、和歌山県で発生した青酸カレー事件。その詳細はみなさんがご存じだと思いますので割愛して、ポン太の思うところを書いてみたいと思います。

 もう2週間が過ぎても一向に解決の兆しが見えないのは警察が無能であるからでしょうか。本当は、マスコミの跳梁跋扈が原因であるそうです。マスコミはズカズカと現場に乗り込んで取材攻勢。真っ当な取材であればともかく、自分たちの思惑に迎合してくれる証言を集めようと大活躍しているそうで、これが事件捜査を遅らせている原因であるそうです。視聴者の期待とやらに答えようと、地元住民が有ること無いことを話し散らす。自治会での確執、カレーの番をしていた主婦の批判、当てずっぽうな犯人探し。心ある住民はマスコミを避け、自然に警察捜査にも非協力的になっています。うっかり有力な情報を話せばマスコミの連日連夜の取材攻勢があるのが予見できるためです。捜査進展のためには、まずマスコミを駆除していただきたいと思います。

 このように怪情報が錯綜している中で、カレーに混入されていた毒物が砒素であるらしいと発表され、事件の様相は大きく変わり始めています(この時点で砒素カレー事件と呼ぶべきかも知れません)。当初、死亡した4人の被害者はシアン青酸化合物中毒によるものと発表されていました。住民の嘔吐物や鍋を洗ったと思われる排水から青酸反応が出たためです(被害者の血液からも検出したとされているのは疑わしいです。疑似反応は出たかも知れませんが、先入観を抱いて検査をすると検出された気になるでしょう)。しかし砒素中毒が主で、青酸中毒は従ではないかと話の風向きが変わってきています。加えて当初は一つの大鍋にしか毒物が入っていなかったという警察発表が、大小三つの鍋から砒素が検出されたという発表に変わりました。どうやら三つの鍋に青酸化合物と砒素が混入されていたのに、青酸化合物が煮込みの過程で変質・気化蒸発した可能性が高いです(祭りの直前に食べて亡くなった会長さん、副会長さんと、祭りの開始後に食べた被害者とでは被害の度合いが違うことも、その証左です)。少なくとも小さい鍋は別の場所で煮込まれていたそうで、その鍋にも犯人が毒物を混入したというのは不自然な感じがします。毒物は調理を始めた当初から混入していたのではないでしょうか。
 マスコミ報道を信用しますと、調理場付近の排水から青酸化合物の残滓が検出されたそうです。しかし洗われてしまった鍋からは検出されませんでした。早い段階で盛りつけたカレーと嘔吐物からしか検出されない青酸化合物が排水からは見つかる、不自然ですよね。それは排水ではなくて、毒物入り調理水の一部なのではないでしょうか。三つの鍋のそれぞれに露骨に怪しい物質を入れたとすると大胆な犯罪ですが、調理水に始めから毒物を混入するならば目立たず簡単に毒物が混入できると思います。調理水の残りが食器の洗浄にも使われたのかも知れません。調理水に限らず特定の食材であっても良いのですが、例えば牛肉パックのすべてに混入するのは不可能な話です。

 私は現場を見ていないので憶測ですが、会場は駐車場のような広場であるので、水道水を直接使ったとは考えにくいです。おそらく大きなバケツなどに水を汲んで運んだのではないかと思います。そのバケツに毒物を混入したのであれば、、、簡単な犯行に成ります。あるいはバケツに当初から毒物が付着していたら(例えばメッキ工場で放置されていたバケツだったとか・・)? という推理は成り立たないでしょうか。まあバケツを使ったかどうかも知らない人間が推理をしても仕方がありませんが、犯罪ではなく過失であるかも知れないということを言いたいのです(マスコミはどうしても無差別大量殺人に仕立て上げたいようですが)。
 仮に犯人がいたとして、犯人のメリットは何でしょうか? 嫌いな誰かを殺したかった? 地元の人間を無差別に殺す機会を狙った? たしかに青酸化合物や砒素はポピュラーな毒物ですが、殺人を目論んで一般人が入手するのは難しい話です。調理に関わった人は例外なく毒物の被害に遭っていますが、普通の主婦が毒物を入手し、自分を犠牲にしてまでウサ晴らしをするのは不自然ではないかと思うのです。調理以前に毒物を混入するのなら主婦が犯人である必要もありませんが、男性であっても毒物が入手しやすくなる訳ではありません。むしろ杜撰な衛生管理でカレーに毒物が混入してしまった方が確率的には高いような気がしています。

 とにかくマスコミの好き放題を止めさせて、じっくり警察捜査が終わるのを待つことにしましょう。意味のない魔女狩りには長野サリン事件やO−157事件で懲りていると思ったのですが、、、相変わらず誤った使命感に燃えているようですね。次回はマスコミの指命を研究してみましょう。

98.08.10

補足1
 この記事を書き終える前に不幸なニュースが伝えられました。1998年8月10日、新潟市鴎島の木材防腐処理会社で、ポットのお湯でお茶やコーヒーを飲んだ社員10人が薬物中毒の症状を訴える事件が発生しました。当初は青酸化合物の疑似反応が出たと伝えられましたが、青酸物ではなかったとコメントされました。防腐剤は劇物指定を受けた成分を含んでいるが、ポットのお湯が捨てられたために毒物の同定が難しいようです。事故である可能性も捨てられませんが、時期が時期だけに便乗犯である可能性も高いと思われます。それにしてもマスコミがあの手この手の混入手口を紹介しすぎましたね。

98.08.10

補足2
 やはり血液中からは青酸が発見されなかったとか。ただし一番最初にカレーを口にした自治会長さんの血液中からは検出されたらしい。ということは青酸化合物はほとんど仕上がる段階で入ったてことなのかな。ポン太の仮説が成立するには自治会長さんのも誤判定であることですけれど。一番に高濃度であった大鍋には推定100グラムの砒素が混入されていた疑いがあるそうです。500人分の致死量だという話ですが、それならもっと死亡者が出たのではないのかな?

98.08.12

補足3
 事件当日にカレーを食べながら症状が出なかった住民の尿鑑定が警察庁科学警察研究所で行われました。結果はいずれも砒素は検出されなかったとのことです。低レベルであるだけかも知れませんが、この結果は大鍋に100グラム混入されていたとしてので前提です。各人が味見した量もわずかだと思いますが、警察発表は毒物混入は味見をした25日正午以降であると断定したそうです。間違った結論に成らなければ良いのですが・・・マスコミへの迷彩かな?

98.08.13

補足4
 今回の事件でも模倣犯が跡を絶たないようです。脅迫事件もありました。それから逆に神経過剰で(?)ケーキを食べてしびれたという不幸な三姉妹がありました。ところで新潟の事件は、アジ化ナトリウムという馴染みのない毒物が混入されていたそうです。結局ポットのお湯からも検出されたそうで、やはり毒物混入事件なのでしょうか。冷静に考えると、前の週からポットに入れっぱなしのお湯を飲むというのはあまりに無防備な気がしますが、どうなのでしょう。またお湯に異常があると思ってお湯を捨てた社員も不注意な行動を取ったものですね。

98.08.15

補足5
 もう三週間になりました。すでに600以上のアクセスを頂いた今日は、見落とした記事を使って補足します。日本経済新聞朝刊8月11日の記事。住民が食べた大鍋の砒素濃度が一番高く、もう一つの大鍋はその数分の1、家庭用小鍋は十分の1だったそうです。また同じおたまでサンプル採取したバカ保健所職員と、一本のへらで二つの大鍋をかき混ぜた人が居るそうです。何で今頃発表するのだろう、というのはともかく、「混入、なべ1つだけ?検査時に移った可能性」というタイトル。ちょっと待て、その報道は変でしょう。少なくともへらでかき混ぜたのなら最初の大鍋にはかなり均等に砒素が混ざったはず、そこからサンプルチェックして二つ目の大鍋や小鍋に移ったとしても、その砒素の割合はどれくらい? どう考えても数分の1や十分の1なんて濃度にならないでしょう。警察報道が変なのか、日経の記者が変なのか。。。? そもそも最初の大鍋の混入量が過大でしょう。実際の話として500人の致死量の割に死者は4人で済んだことであるし、胃洗浄をしていれば4人とも助かった余地が大きいです。血中濃度なんて誤差の範囲だからそれから濃度を推定するのは極めて非現実的。少なくとも科警研がそんなおかしな判定結果を出すわけがないのですが。

98.08.16

補足6
 もう4週間になりました。和歌山県警はやっと青酸化合物の混入はなかったとコメントしただけです。頑なに青酸反応が出たと言い張ってきたのを撤回しました。週刊文春の8月27日号によれば、体液中の塩分で疑似青酸反応が出ることがあると解説しています。県警は面子に賭けていましたが、雑誌等で青酸中毒の可能性を否定されたことを反省したものです。従いましてタイトルだけ変更しました。補足3の「尿鑑定」は「血液鑑定」の誤りであったそうです。先走ったマスコミ報道をそのまま掲載してしまいました。お詫びします。

98.08.21

補足7
 園部地区の特定の民家に出入りしていた男性二人が事件に先だって砒素中毒の症状を示して入院しているとの報道がありました。マスコミの報道はやや過敏ですが、ちょっと補足検討をします。本文中「バケツが・・」とありますが、これとは別に使用した水が上水道の水であるかどうかも検討が必要です。ポン太の本家は和歌山に隣接する大阪府岸和田市にあります。ここでは一部で井戸水がそのまま使われています。地下水脈の関係で飲める家と、飲めない家、また住宅工事等の関係で飲めなくなった家などがあります。また上水道も引かれていますが、庭の植木用、風呂と便所には井戸水を使う・・・というように使い分けています。ちなみに外部の人間には蛇口等で区別はできません。和歌山でも井戸水が使われている民家があると思います。その井戸水に砒素が混入する可能性はないのでしょうか。一度生活用水の水質検査をして欲しいです。それからマスコミは男性二人に(正確にはもう数人に)本人の知らない生命保険が掛けられていたことをデカデカと報道していますが、93年9月や95年12月の加入時期から考えると使用者が使用人に掛けた保険の域を出ないようです。保険金殺人を意図したのなら、もっと違う方法があるのではないでしょうか。いい加減に際限ない犯人探しをマスコミは止めるべきでは?

98.08.26

補足8
 読者の方のご指摘で補足します。補足7の砒素中毒の男性についてです。砒素はご存じのように蓄積性が高く、とくに髪の毛などから多量に検出できる傾向にあります。寝たきりの病人が衰弱死したと思ったら実は砒素中毒だった、という海外推理小説が多いのですが、現実によく使われた手法のようです。海外では土葬が多いので、遺体の毛髪から砒素が検出される例が多いと聞いています。見掛け上、慢性的な下痢症状などを示すので医者が慎重でない限り見落とすようです。しかし尿検査、血液検査などは砒素検査までしないのでしょうか。男性は入退院を繰り返しており、それに伴って休業補償金が支払われていたとの報道があります。しかし社員でもない人物に保険が掛けられるのかどうか、死亡保険金はともかく各社合わせて人件費の数倍の補償金が使用者に払われるのかどうか、第三者が何通も本人に無断で診断書を取得できるのかどうか、疑問が残ります。保険屋がグルに成らないと難しい話で、仮に男性が死亡した場合、互いの保険会社間で情報を付き合わせて怪しいことがバレる様な気がします。あまりにも杜撰な手口でよく分かりません。新しい事実が出たら再度ご報告・・・にします。

98.08.27

補足9
 補足8の補足です。複数の男性が慢性的砒素中毒であった事件で、こちらは犯罪の可能性が高く成りつつあります。35歳の方の男性が今年3月に起こしたバイク事故の際に血液サンプルを抽出しており、その中から砒素化合物が検出されたと云います。ただし和歌山県警には前科がありますので、科警研で再検査を。病院側は同男性の肝機能低下や白血球異常は突き止めたものの毒物は検出できなかったそうです。これらの情報・・どこまでが警察発表で、どこからがマスコミの独自取材の成果なのかよく分かりません。しかしこの事件とカレー事件との因果関係を見いだすのはやや苦しいです。第一にカレー事件が原因で自らの犯罪が露見する可能性が高くなること、第二に微量投与を繰り返せば砒素中毒死と見破られにくいと考えて行った犯罪で有れば、かなり正確に致死量に関する知識を持っていたはずであること、第三に複数の死亡者が出れば警察の本格捜査を招くであろうこと、から考えると不特定殺人であったとは考えられません。もちろん犯人が何かに追いつめられていたか、気が狂ったかすれば別ですが。

99.08.28

補足10
 補足の方が本文よりも長い・・・。園部地区の住民の知人という人物から捜査本部が砒素化合物の任意提出を受けていたそうです。18リットル缶ほかの中国製の粉末だそうです。ただし、その知人が預かったのは数年前とのことで、その入手ルートの確認と化合物の分析が急がれています。預けた理由は「不用になったから」と報道されていますが、本当なら杜撰な話です。使いかけの缶入り砒素はどこかに不法投棄されていたりして・・・というのは無理ですかね。ポン太の推理も限界かなぁ。

99.09.01
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