参議院選挙に比例代表区が設けられて以来、タレント議員が随分と増えたように思います。タレント議員と一括りに呼んでも、プロレスラー、作家、俳優、テレビタレント、などなど多士済々であります。弱小政党も有名タレントを党首や名簿上位者に掲載すると得票数が増えて議席獲得の可能性が大きくなります。とはいえ、最近は補欠選挙や知事選挙にもタレント候補が増えており、その躍進ぶりが目立っています。タレント議員と言えば政治の素人ですが、素人である故に思ったことを正直に言えるという立場も活かせます。また多数の支持者を背景にしていますから、その発言を無視することも容易ではありません。彼らは本業で多額の収入を得ているのが普通ですから、議員を失職しても生活に困窮するわけでもないメリットがあります。支持者も単なるパーソナリティへの期待だけではなく、タレント議員の特殊性を意識して投票しているのではないか、と考えるのですが、みなさんはどうお考えでしょうか。
今回の選挙でも大物タレント候補が選挙ポスターを派手に飾っています。彼らの何人が当選してくるかは分かりませんが、それなりに旋風を巻き起こすのでしょう。だが現実に当選したタレント議員が、何か大きな活躍をしたとは聞きません。かつて猪木がイラクへ単身乗り込むパフォーマンスをしましたが、都知事選にまつわる疑惑で人気を落としたこともありました。タレント議員には純粋な人が多いために、老獪な政治家たちに填められやすい相手でもあります。タレントは周囲にチヤホヤされるのが好きです。おかしな研究会の発起人にタレント議員が名を使われたりすることも多いようです。タレント議員たちよ、当選したらそれで充分と考えているのではないか? 貴方たちは有権者の意志に反していることに気付いているか? もっと政治の素人としての立場から日本の政治の不明朗な点を指摘して欲しいです。及び腰の政府の対応を批判して欲しいです。チャリティー活動など売名行為も結構ですが、貴方たちにしかできないことが、もっと沢山あるはずだと思うのです。
さて今度の参議院選挙です。投票率は40%台という予想があります。天気次第では投票率が40%を割り込む可能性もあると云います。これは異常事態なのですが、政府と与党自民党は何も対策を講じていません。投票時間の2時間延長を打ち出しましたが、これは投票時間をシフトさせる効果はあっただけで、投票率の向上には寄与しないようです。欧米のように投票しない者に対する罰則規定を設けろと言いませんが、何らかの工夫は考えても良いでしょう。近頃は不在者投票が使いやすくなったとは聞いていますが・・・
自民党の絶対支持者は5人に1人いるそうです。都心部ではかなり少ないですが、農村部では逆に多いそうです。絶対支持者は必ず投票に出掛けるから、投票率が下がれば下がるほど自民党には有利になります。投票率が40%を割り込めば、2人に1人は自民党に投票することになります。共産党や公明党も絶対支持者が多いから投票率が下がると有利です。不利になるのは浮動票を当てにしている民主党や自由党、そして社民党でしょう。しかし浮動票頼みの政党はもともと支持基盤が脆弱ですから、有効な投票率向上策が取れません。せいぜい自民党圧勝の噂をマスコミにばらまいて、絶対支持者が投票所へ足を運ぶ意志をくじけさせる程度しかできません。
何故しないのか、というのが正直な感想です。イメージを膨らませるのに必死な民主党なら、ジャニーズの若者たちをなぜ選挙に利用しないのでしょうか。選挙広告に使うも良し、応援演説に使うも良し、思い切って議員候補にキムタクを登用するも良し、と思うのです。また遊園地などデートスポット近くに投票所を設けることはできないでしょうか。何も小学校や中学校を投票所にしなければならない理由も無いように思うのですが。選挙には無償で場所を提供するべし、と思うのです。
たしかに真っ当な戦術ではありませんが、政治に無関心な若者たちの足を投票所に向けさせるには有効な方法です。彼らが投票所に足を運ぶことが習慣化すれば、多少なりとも政治に持つのではないでしょうか。老獪なジジイたちにキムタクがいじめられれば若者の同情が集まって、巨大なパワーを生み出す可能性もあります。彼らが政治の素人であっても構いません。タレント議員達が一致団結して主張を繰り出せば、必ず日本の政治を良い方向へ向けられると思うのであります。
98.07.09
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