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ミュージカル作品紹介(第298回)
魔法の黄色い靴
■鑑 賞 日 平成14年8月16日(金) マチネ
■劇 場 名 赤坂ACTシアター(赤坂)
■料  金 全席指定 S席8,500円(前売料金)

■脚本・演出 樫田 正剛    ■音楽監督 深沢 桂子
■美  術 伊藤 保恵     ■音  響 山本 浩一
■照  明 桜井 真澄     ■振  付 稲田 晴美
■アレンジ 前嶋 康明     ■舞台監督 鈴木 慎介
■ヘアメイク 武井 優子
■制  作 高木 潤,町田 直子,古賀 千咲子
■演  奏 TULIP
キ ャ ス ト
三宅澤    (山本 耕史)   君原達朗   (河相 我聞)
安西     (大山 英雄)   くるみ    (遠山景織子)
達朗の父   (平賀 雅臣)   達朗の母   (伴 美奈子)
真琴     (志村 知香)   サトコ    (原  史奈)
本郷     (伊藤 高史)   天使A  (KOHJIRO)
天使B     (MaMi)   天使C    (渡辺  健)
天使D     (山崎 ちか)            ほか多数
ス ト ー リ ー
 東京でのレコードデビューが決まった三宅澤は、他のバンドから安西をスカウトし、メジャー化を目指している。ドラムに達朗をスカウトすべく君原家に乗り込んだが・・姉くるみの恋人と間違われたことを発端に、ドタバタを演じる。
 優柔不断な達朗、それに不満を感じる恋人サトコ、頑固な、慌て症の、達朗のバンド仲間、色々な人が複雑に絡み合って、達朗の決心を求めていく。三宅澤は、安西と達朗を連れて、東京進出と成るのか!?
コ メ ン ト
シナリオ オープニング直後から、1年前の懐古シーンになります。しかし、懐古シーンのまま終わってしまい、オープニングに意味がありません。三宅澤や安西の会話は面白いですが、全体を通して諄い会話が目立ちました。妙にテンションの高いキャラクターも多く、今一つという印象です。
本来はストレートプレイ向きのシナリオであるところに、コーラスを押し込んだ作品でした。ストレートプレイに徹した方が良かったのでは?
キャスト ストレートプレイ系劇団員や、近頃のシンガー系ミュージカル出演者が多く、本格的ミュージカル俳優を欠いたキャスティングでした。バックコーラスを無理矢理に足した布陣にアンバランスを感じました。
ナンバー 劇中では、印象の薄いナンバーが目立ちました。カーテンコールでは、再結成したTULIPによる「心の旅」他が生演奏されました。
ステージ オープニングを除いて、君原家のセットで舞台が進行しました。立体的な構成でしたが、スペースを十分に活かし切れていないようでした。三十年前を意識した衣裳は、懐かしさを演出していました(真琴役の衣裳だけが考証不足の印象)。
演 技 力 山本の調子外れの立ち回りが面白く、キャラクターをよく研究している印象です。大山も巧いフォローをし存在感がありますが、福岡出身の設定では・・? 平賀の渋い演技が映えます。
遠山は細かい仕草が巧く、山本と息を合わせて芝居が良い感じです。は終盤での活躍が目立ちました。
伊藤他、妙に諄い役回りのキャストは、可哀想な存在です。
歌 唱 力 山本は歌唱も巧かったことを思い出しました。芝居での存在感が目立つ作品が多かっただけに、新鮮でした。当然ながら、TULIPメンバーによる「心の旅」は感動的です。
天使と呼ぶアンサンブルがコーラスを担当していました。KOHJIROらによる「虹とスニーカーの頃」が秀逸でした。
ダ ン ス グループサウンズ時代を意識したダンスが使われましたが、インパクトが弱く、印象は薄いです。
総合評価 シナリオに問題を感じました。コメディとして面白いですが、単発の受け狙いが目立ち、全体としての筋立てに問題を感じました。キャストに良いメンバーを集めているだけに、纏まりの悪さが残念です。
チューリップの財津和夫氏をイメージしたという三宅澤というキャラは、完全なフィクションであるようで、濃すぎるキャラクターがマイナスなのかも知れません。
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています
なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください
ア ク セ ス

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