前回へ  ホームへ  次回へ
ミュージカル作品紹介(第289回)
高 島 屋 の 怪 人
■劇  団 大久保企画
■鑑 賞 日 平成14年6月29日(土) マチネ
■劇 場 名 東京芸術劇場 小ホール1(池袋)
■料  金 全席自由,500円(前売料金)

■原  作 湯山 きょう子   ■潤色・演出・制作 大久保 良太
■編曲・作曲 広川 典男    ■振  付 佐藤 のぶこ
■歌唱指導 佐藤 光義     ■照  明 塚本 悟
■音  響 タツサウンド    ■舞台監督・美術 加藤 正信
■衣  裳 大久保 千鶴子,村田 和世
キ ャ ス ト
怪人     (岩渕 憲昭)   乙女     (嶋田 州見)
小百合    (臼杵 裕弓)   由香     (水津 亜子)
秀子     (高田より子)   セツ     (荒木 里佳)
アキ子    (麻丘 美頼)   シゲル    (直井  翔)
モトヤ    (山本  譲)   優子     (野原 亜紀)
田舎娘    (森田  歩)               ほか
ス ト ー リ ー
 新人エレベーターガール乙女は、何をやっても下手で、物覚えが悪い。お局様のアキ子に叱責される毎日だが、めげずに頑張っている。ある日、デパートの地下十階に迷い込んだ乙女は、謎の怪人に出会う。異様なアドバイスと特訓を施す彼は、小百合という女性のイメージを重ねているらしい。
 そつなく業務を果たすようになった、乙女。大人らしい魅力を増し、周囲から奇異の目で見られるようになった。彼女の心に青年シゲルが棲んでいることを知った怪人は、彼女を地下に引き留めようとする。デパート内で相次ぐ、怪異な事件。事態を重くみた社長セツらは、地下十階へと向かう。
コ メ ン ト
シナリオ 名作「オペラ座の怪人」のパロディ作品です。実名デパートに拘りがあって、面白いです。ベタなギャグもありますが、含蓄のあるギャグもありました。全体的にバランス感のある作品だと思います。
キャスト ダンス力に富んだキャストが多く、演技力もあります。歌唱は弱いと感じますが、コメディ作品であるので仕方がないでしょうか。
ナンバー 豊富なナンバーですが、必然性のないナンバーもあり、全体にインパクトが弱いです。「怪人の哀しみ」「小百合に捧げる歌」が印象に残りました。
ステージ 後方と側面に壁があるだけのシンプルなセットでした。エレベータをライトで表現してありました。エレベータガールと店員の衣裳が可愛らしいパステル調で、社長の衣裳はコテコテです。
演 技 力 岩渕は、恥ずかしい道化役を、照れつつ演じていました。山本の変わった雰囲気に味わいがあります。
嶋田のオーバーなバカぶりが笑えます。終盤で見せる大人らしさとのギャップを演じますが、バカ加減が不自然すぎました。高田の老け役は秀逸でした。荒木は濃い芝居でした。麻丘の率いるエレベータガールズは、立ち姿が良く、台詞も動作も本物をよく研究しています。
歌 唱 力 岩渕嶋田も、ソロのインパクトが弱いです。集団コーラスは、迫力がありました。ナンバーのパンチ力の弱さも理由にあると思います。
ダ ン ス デパートへいらっしゃい」「ビューティフル・フィーリング」で派手なダンスが繰り広げられます。モーションに統一感がなく、バラバラ感が目立ちました。アンサンブルのダンス力が高いので、あとは揃うだけでしょうか。
総合評価 シナリオの面白さを活かしきれず、やや諄い作品でした。流れにメリハリを欠いたこと、「オペラ座の怪人」との対比に拘りすぎたこと、が残念です。佳いキャストを抱えていますので、作品全体の統一感とグレードアップに期待します。
上記コメントはポン太の主観&独断に基づいています
なお、評価ランクはポン太の五つ星を参照ください
ア ク セ ス
大久保企画
 事務所/東京都豊島区南池袋1−20−1    Tel:
前回へ  ホームへ  次回へ