米国を襲った同時テロ事件が、米国経済に打撃を与えています。とくにNYのダメージは大きく、五番街はじめ大手ホテルはガラ空き、観光客ツアーはキャンセルが相次いでいます。年内の回復は無理だと言われています。その余波は、ブロードウェイにも及んでいます。
ロングラン、相次ぎ幕
日本経済新聞9月22日夕刊によれば、「キス・ミー、ケイト」「ロッキー・ホラー・ショー」など5公演が、23日で公演打ち切りを決めたそうです。華々しいフィナーレもなく、閑散とした劇場のまま幕となった模様です(どの作品も観てないぞ〜!)。「キス・ミー」は興行収入がテロ前後で1/5になったそうです。
加えて、当日券売り場のTKTSでも、売れ残り券が続出し通常の三割の売り上げとか。大手は半額券のバラマキもしているそうで、羨ましい限りですが・・売れ行きはサッパリとか。とくに金払いの良い外国人観光客の激減が堪えていますね。「レミゼ」「ファントム」では、ギャラの大幅カットもあったそうで、大変です。
2000年のブロードウェイ興行収入は6.8億ドルで、ざっと800億円! 巨大な市場が急速に萎んでしまいます。公演打ち切りはともかく、かつてのように劇場閉鎖が相次ぐと、今後への影響が図り知れません。加えて、キャストやスタッフの解雇も進み、有能な人材の流出が懸念されます。後進の減少も避けられないでしょう。
行きたいのだけれど・・
昨年ならば、仕事を置いてでも出かけるところですが・・。今は本業で手一杯です。何よりも我が社は、上司の許可が無いと外国旅行も行けません(え〜、普通でもそうですかぁ?)。当日券が選り取り放題で、ベストビューもガンガンだなんて羨ましいですが、、、そんなことではなく、早期の回復を望みます。いや祈り、願います。逆境をはねのけてこそ、本当の芸術です。本物の娯楽です。NY市民に、アメリカ国民に、世界中のミュージカルファンに夢を与えてください。
せめて年末には出かけたいブロードウェイ!!! しかし本業を何とかして、上司にNYの安全を納得させて、何とか出かけたいものです。テロリズム反対! NY攻撃反対! ブロードウェイを守れ!! しかし・・本当にテロの主犯はアフガニスタンに居るのでしょうか? 何となく政治的策謀が渦巻いているような・・気もしています。
いずれにしても、米国でもバブル経済が終わりました。遠からず、ブロードウェイも萎んだことでしょうが、あまりの急ブレーキです。ウェストエンドはとりあえず無事ですので、どうかミュージカル界の全体が萎まぬことを!! 強く願うことにしましょう。
- 「ロッキー・ホラー・ショー」は、ファンの強い要望により、上演再開されたそうです。「キス・ミー・ケイト」は2002年に東宝が輸入することに決まりました。(2001/12/30)
- 第129回で紹介したチケット・エージェント「MiL」社のエンカレが、2001年10月号を最後に長期休刊に突入したそうです。NY観光客は大部分が回復したようですが、日本人観光客は前年比9割減の状況が続いているそうです。(2002/02/02)
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