脚 本 を 叩 く

脚本家の書き上げた脚本を、スタッフやキャストで手直ししていくことを言います。「ホンをたたく」とも言いますね。脚本は、脚本家が書き上げて完成ではなく、何度も修正されるものです。

たたかれてこそ、脚本

脚本家が演出家を兼ねていたりすると、絶対権力者(笑)ですが、より良い作品にするには、叩くことが欠かせません。脚本とは、脚本家の頭の中のイメージを、文章で具現化したものです。上手く表現しきれないところは多いですし、キャスティングと付き合わせると無理が出たり、配分を考慮して足したり引いたりが普通です。

またアバウトな設定を肉付けし、面白いアドリブを本稿に加えたり、科白を推敲したり、シーンを調整したり、脚本は日々変わるものだと言えます。誰もが勝手に手を入れると一貫性を失います。したがって、脚本に手を入れるのは脚本家が行うのは、当然です。それでも、積極的に意見を貰い、聞くべきものを聞き、整合性を図りながら修正することで、脚本は練り上げられて、素晴らしい物になります。

叩かれてこそ、良い脚本ができます。十分に叩かれない脚本は、クズ・・です。

脚本の叩き方

脚本を叩くのは、どの劇団でもやっているはずです。脚本家が当初に書いたままであれば、むしろ異様です。少なからず、脚本の手直しはあるでしょう。その機会は、まず脚本の読み合わせ(椅子に座ったまま、順番に科白を読んでいく、準備段階)、そして本稽古(シーンごとに進めていくますよね)、それから通し稽古(全体を通すことで、問題点が洗い出されてきます)、最後に本番です。

本番が一番にアラを見つけやすい機会で、初日よりも二日目、二日目よりも三日目・・となって、最終公演が一番良くなるというのが一般的です。いつかも書きましたが、これは正しい方法でありません。初日で完璧な作品を提供することが、商業公演としては必須です。ゲネプロまでに完璧にたたいておく必要があります。叩き切っていないから、本番でミスをするとか、本番が詰まらないのでは、失格でしょう。

叩くのは、スタッフでもキャストでも誰でもよく、その場その場で発言するか、日々の練習のまとめ(反省会)で意見を出すかして、翌日までに脚本が直されるように努力すべきです。より望ましくは、全員で一斉に脚本を直すのが良いでしょう。それが緊張感になり、積極さも引き出し、公正で適切な変更に繋がるからです。キャストは、自分として演じにくいところ、相手と息の合わないところなどを、率直に申告することも欠かせません。相手が主役でも、正面から意見を出して正すのが良いでしょう。

そうして無事に叩かれると、良い脚本ができます。もちろん演出にも全員で意見を出し、叩くことは欠かせません。馴れ合いを最小限に抑えること、誰もが観客の立場でシビアな評価を出していくこと、叩くことが良い作品を出す近道と全員が自覚すること、が大事だと思います。