先日に「リバティ・オン・ザ・ストリート」という作品を観てきました。デニス・ケーシー・パーク率いるアメリカ人チームによる作品でした。RAP・ブルース・ゴスペルなど多種多彩な音楽に、ロック・ブレーク・スウィング・チャールストンなどダンスもありました。
中でも印象的だったのは、黒人キャストによるゴスペル・ミュージックでした。この作品で配布されたパンフを参考にしてみます。
ゴスペルは、神の言葉
近頃では、ゴスペルを取り入れたミュージカル作品を見掛けます。ゴスペルの語源は「ゴッド・スペル(神の言葉)」で、クリスチャン・ミュージック全般を指すそうです。私は黒人唱歌のように意識していましたが、誤りでした。Yahoo!等で検索すると、豊富なゴスペルサイトが発見できます。
ゴスペルのうち、トラディショナル(伝統歌)と呼ばれるものに、賛美歌や聖歌があります。結婚式やクリスマスソングでお馴染みですが、バリエーションが豊富です。詩篇をベースにした聖歌隊ミュージックは荘厳な雰囲気を醸し出します。とくに白人系キリスト教徒のミュージックを、ホワイト・ゴスペル・ミュージックと呼ぶそうです。
NYハーレムなどで有名な黒人系ゴスペルは、スピリチュアル(霊歌)の呼ばれていて、アフリカ系プロテスタントの教会が積極的に採用してメジャーに成っているそうです。この亜流であり、ソウルフルな唱い回しをするものは、ブラック・ゴスペル・ミュージックと呼び分けられるそうです。20世紀に登場し、プロテスタントの賛美歌・西アフリカの伝統音楽・黒人霊歌・ブルースの混血といった位置づけでしょうか。
ブラック・ゴスペルが人気
アメリカではブラック・ゴスペルの人気が高く、ストリート・キッズらが改良する形で、RAPやヒップホップが誕生しており、ブラックでも白人が唱うという変化もあるそうです。ブラック・ゴスペルを確立したのは、1920年代のブルースピアニストのトーマス・ドッセイという人物であるそうで、歴史は比較的新しいです。この亜流がアフリカ系アメリカ人の礼拝に逆輸入されるというオマケも付きます。
日本でもブラック・ゴスペルを唱う歌手が1980年代からありますが、近頃では「ゴスペラーズ」がヒット曲を生み出していますね。「ミラクル・ブラインド・ボーイズ」というユニットも全国公演をしています。日本の若者にも支持者が増えているようです。ブルースや霊歌となれば、情感の込められたソウルフルな仕上がりになるのは当然で、若者にも唱いやすいのがウケているのでしょうか。
RAPやヒップホップが一世風靡した時代もありましたが、今ではローカル化しています。ブラックやホワイト・ゴスペルをガンガンに輸入して、日本でもゴスペル・ミュージックが定着してくれると、良いですね。とにかく世代を問わず共感が得られるミュージックです。
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