プロンプターとは、「舞台の袖から、役者に科白を教える人」のことです。日本では、黒子がその役割を兼ねることが多いです。役者が科白の出だしを間違えたり、途中で詰まったりした場合に、お助けをするのが仕事です。
普通は無いと思いますが
普通のミュージカルであれば、こんな恥ずかしいことは無いと思います。日々練習をしているわけですし、出ずっぱりの役でもない限りは、舞台裏で進行や科白の確認ができるはずですから。それでも、相方が科白を間違えたり、ミュージックの順序が狂ったりした場合は、誰かがプロンプターの役割をしてあげる場合があります。「それ違うよ〜」とか「〜だってば!」っていう声が聞こえたりすることもありますよね。
しかし、売れっ子俳優であれば、専属のプロンプターが付く場合があるそうです。余程の演技下手ということになりますが、大手商業系でも耳にしたことがあります。要するに、出演する作品が多すぎて、十分に脚本を読む暇が無い俳優に必要なのだと思います。単に記憶力がなくて、短い科白も覚えられない俳優もあるそうですが・・。TVドラマの撮影で、何度もNGを出す俳優には、必須でしょうね。
名優は頭の構造が違う
反対に、売れっ子でもプロンプターを必要としない俳優があります。これが普通ですよね。1カ月毎に違う舞台に出演している強者とか。頭の出来が違うのでしょうが、事前に十分な読み合わせをしなくとも、アドリブも交えながら、上手に科白を繋いでいく俳優があります。有名なところでは、森繁さんでしょうか。もうご高齢ですが、ドラマの脚本をしっかり頭に入れて芝居をされるそうです。大物だから赦されるのでしょうけれど、独断で間を挟んだりもするそうです。
歌舞伎役者や落語家は、口伝えで作品を憶える訓練を受けると言います。単なる科白だけでなく、動作や間、立ち位置を含めた全てを伝授されるわけで、ベテランになると何十という作品を演じ分けることに成ります。アクシデントが発生しても、上手にミスを誤魔化して、それらしく進めていく才能を持っておられるのが強みでしょう。
プロンプターが付いているかどうかは、お客様にはあまり関係ないことです。それでも、全ての科白を身につけて、全てこなしてくれることを望むのが、観客としての性でもあるようです。
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