ミュージカルに魅せられて

 ミュージカルは、ストーリー(芝居込み)とダンスミュージックの三要素から成り立っています。いずれに重点を置くかで作品の面白さが決まりますが、作品に対する評価は三要素がどう融合しているかで判断されると思っています。などと評論家ぶってみても、私がミュージカルに足を踏み入れたのは、1995年6月のことです。
 私の妹が高校時代に演劇部に所属し、兵庫県大会で優勝し、近畿地区大会に出場したことがありました。これはストレートプレイ(純粋な演劇)であったのですが、演劇の面白さを何度も聞かされました。また姉が四季の会の会員であり、たびたび東京へ出掛けては劇団四季のミュージカルや、野田秀樹氏の演劇を観ておりました。そんな環境にあったため、何となくミュージカルに対する興味が湧いたのです。

 初めてみた作品は、劇団四季のキャッツでした。着ぐるみを着た演劇・・・ということに抵抗があり、ロングランというほどにはつまらない作品に感じました。メディアに踊らされて1万円以上も払ったか・・・と後悔もしました。しかし偶然に友人からブロードウェイ版キャッツのCDを借りまして、あのMemoryというナンバーに魅せられたのです。たしかキャッツの作品中で2度歌われるこのナンバーはヒロインが声を振り絞って歌い、澄み切った美しいメロディーが感動を呼び覚ますというアレです。なるほど観客はこのナンバーを聞きに行くのか・・・などと独り合点したものです。

 ホームページの開設と同時に、コンテンツ充実の一環として毎月1作品ずつアップしようと決意し、いつの間にか毎月観るハメになってしまいました。これまでの観劇で、自分はコーラスが一番好きなのだと言うこと、とくに輪唱が好きなのだということに気付きました。それ以来ミュージカルナンバーを基準に作品を選ぶようになりましたが、有名どころはほとんど観てしまったので、つぎはダンスや俳優の動きに注目して小劇場を巡ってみようと考えています。ストーリーはコーラスやダンスの邪魔をしなければ良しとします、とりあえず。ストーリーを複雑に練り上げた作品はミュージカルナンバーが浮いてしまうので、ストレートプレイで演じて欲しいと言うのは、単なる我が儘でしょうか?

 などとミュージカルにすっかり魅入られてしまっている、今日この頃です。